【病院相談員が解説】親が骨折で入院したときに知りたいこと

家族・人間関係

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私の勤めている病院に入院しているのは、80代や90代の患者さんがほとんど。
皆さんのご両親に近い年代の方が多いかもしれません。

ある日突然、親御さんや病院から「転んで骨折して入院することになった」と連絡が来たら、頭が真っ白になりますよね。
「これからどうなるんだろう」「どうすればいいかわからない」と、不安でいっぱいになると思います。

そんな、親の入院に直面した皆さんをサポートするのが、私たち相談員の役割です。
今回は、相談業務で日々多く聞かれる「親が骨折・手術した後の流れ」について、知っておいてほしいことをお伝えします。

なぜ?高齢者に多い骨折とその背景

病院に救急搬送される高齢者の骨折で多いのは、大腿骨(だいたいこつ)の骨折です。
その中でも特に多いのは、大腿骨頚部骨折大腿骨転子部骨折の二つ。

「うちの親は杖も使わず、普通に歩いていたのに…」という声をよく聞きますが、高齢になると骨はもろくなりがちです。
ほんの少しつまずいたり、尻もちをついただけで、大腿骨を骨折してしまうのは決して珍しくありません。

かくいう私も、若い頃と同じ感覚で歩いていると、小さな段差で「おっと!」とヒヤッとすることが日常茶飯事。皆さんも、心当たりがあるのではないでしょうか?

手術と保存治療、どちらを選ぶ?

「骨折したけど手術はしない」という選択肢もあります。

しかし、私が勤める病院では、手術を選ぶ方が圧倒的に多いです。なぜなら、手術には患者さんにとって大きなメリットがあるからです。

  • 手術をしない場合
    安静期間が長くなり、寝たきりの期間が増える
    その結果、食事や着替え、歩行などのADL(日常生活動作)が低下し、元の生活に戻るのが難しくなるリスクが高くなる。

  • 手術をする場合
    手術の翌日からリハビリが開始できる。
    寝たきりの期間を短くすることで、ADLの低下を防ぎ、スムーズな在宅復帰を目指すことが可能となる。

もちろん、元々車いす生活だったり、状況的に手術のリスクが高いとみなされた場合は、手術をしないという判断もあります。
手術をするかどうかは、必ず主治医とよく相談し、メリット・デメリットをしっかり聞いた上で判断しましょう。

退院はいつ?病院ごとの役割分担を理解しよう

「一度入院したら、自宅に戻れるようになるまで入院できる」と思われがちですが、実は医療機関にはそれぞれ役割があります。ざっくり分けると以下のとおりです。

急性期の治療を終えたら、患者さんの状態に合わせて次のステップへ進むのが一般的です。
その「次のステップ」は、患者さんやご家族の生活状況によってさまざまです。

今回は、最も多いケースである「リハビリテーション病院への転院」について詳しくお話しします。

リハビリ病院への転院におけるメリットと注意点

リハビリ病院は、集中的なリハビリを受け、自宅や社会への復帰を目指す専門病院です。

骨折の場合、最大90日間の入院期間が定められており、1日に最大3時間のリハビリ訓練を受けられます。
また、食事や着替え、排せつなど、日常生活そのものをリハビリとしてサポートしてくれるのが大きな特徴です。しかし、場合によっては転院が難しいケースもあります。

  • 患者さん本人がリハビリを拒否する
  • 患者さんに暴言・暴力など問題行動がある
  • 特定の持病(パーキンソン病や関節リウマチなど)の薬に対応できない場合がある
  • キーパーソン(ご家族)の協力が得られない

リハビリ病院によって対応できる範囲が異なるため、転院が可能かどうかは、入院先の相談員を通じて確認する必要があります。

「できるだけ自分の足で歩きたい」「自分のことは自分でやりたい」と、90代でもリハビリ病院への転院を希望される方は少なくありません。
年齢を問わず前向きに取り組む姿を見ると、私はいつも尊敬の気持ちが湧いてきます。

転院の手続きは心配無用!相談員との進め方

とはいえ、「リハビリ病院への転院って、どう進めればいいの?」と不安になりますよね。
安心してください。転院の手続きは、入院先の病院の相談員が行います

転院の流れは次の通りです。

  1. 入院先の相談員や看護師からキーパーソンへ、今後の方向性について確認の連絡が入る。

  2. リハビリ病院への転院を希望する場合、相談員が転院先に打診を行う。
    ※家族が希望する病院があれば、事前に伝えておくとスムーズ。
    希望する病院が特にない場合、「自宅から通いやすい場所」「職場に近い地域」など、条件を具体的に伝えると候補を探しやすくなる

転院の調整は病院同士で行われるため、キーパーソンは相談員からの連絡を待っていれば大丈夫です。
ただし、他にも相談したいことや、特に伝えておきたい事情がある場合は、病院からの連絡を待たずにご家族の方から電話をもらえると、調整がスムーズになり大変助かります

最後に:一人で抱え込まないでください

親の入院は突然のこと。誰だって気が動転します。

「どうしたらいいかわからない」と戸惑う方もいるでしょう。
そんなときこそ、私たち相談員を頼ってください。

ただ、相談員に決定権はありません。
最終的にどうするかを決めるのは、患者さんご本人とご家族です。
しかし、私たちは具体的な選択肢を提示し、患者さんやご家族にとって何が一番良いのかを一緒に考えていくことができます。

もし今、親御さんの入院で悩んでいるなら、ぜひ病院の相談員に声をかけてみてください。
あなたの悩みを話すだけで少し気持ちが軽くなるでしょうし、解決のヒントが見つかるかもしれません。

次回は、リハビリ病院以外の選択肢についても詳しくお話しできればと思います。

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