先日、ツムラの企画で「フレイル川柳」というものに応募してみました。
(参考:50歳からのフレイル川柳)
「フレイル」という言葉、皆さんは聞いたことがありますか?
私も調べるまでは漠然としたイメージしか持っていませんでしたが、その意味を知ると、私たち50代にとって見過ごせないテーマだと気づきました。
今回は、これからの長寿社会を健やかに生きるための「フレイル予防」についてお伝えします。
そもそも「フレイル」とは?
「フレイル」(Frailty)とは、加齢とともに心身の活力(体力や気力)が低下し、病気や介護が必要な状態に陥りやすくなった状態を指します。いわゆる「虚弱」のことです。
このフレイルの怖い点は、身体的な問題(筋力低下など)だけでなく、精神・心理的な問題(抑うつなど)、社会的な問題(孤立など)が互いに関連し合いながら進行していく点にあります。
心身のバランスが崩れやすく、ドミノ倒しのように虚弱が進んでしまうリスクがあるのです。
しかし、フレイルは決して不可逆な状態ではありません。
適切な対策を行うことで、再び健康な状態に戻すことができます。
フレイルを予防・改善するための柱は、主に次の3つです。
- 栄養をとる:タンパク質を中心に、質の良い食事を心がける。
- 運動をする:散歩やストレッチなど、無理なく続けられる運動を習慣にする。
- 社会とつながる:趣味や地域活動、人との交流を通じて心と脳を刺激する。
これら3つの柱をバランスよく実践することが、フレイルを跳ね返す力となります。
なぜ50代がフレイル対策に重要な「節目」なのか
「まだ50代だから大丈夫」「フレイルなんて高齢者の話」と思っていませんか?
実はその油断こそ、フレイルを進行させる最大の落とし穴です。
ツムラが行った調査によると、50代の約半数がすでにフレイルに該当し、予備軍を含めると約9割という驚くべき結果が出ています。
出典:50歳からのフレイルアクションとは
この調査結果から、私たち50代がフレイル対策を意識する必要がある理由を、未来と現在の視点から掘り下げていきましょう。
人生100年時代の「健康寿命」の分かれ道
人生100年時代を迎える今、50歳はまさに「健康寿命」の折り返し地点です。
ただ単に人生の中間点という意味ではありません。
これから先の長い後半の人生を、病気や介護に頼らず、自分らしく健やかに生きるためには、50代の過ごし方がその後の数十年を大きく左右します。
50代でフレイル対策を始めるかどうか、その意識一つが、健康で活動的な未来を勝ち取れるかどうかの「分かれ道」となるのです。
心身の変化と社会的変化が重なる時期
50代は、心と体の変化が急速かつ集中的に進む時期です。
この時期は、「身体的」「心理的」「社会的」な要素が重なりやすく、気づかないうちに心身のバランスを崩しやすい年代といえます。
だからこそ、今のうちからフレイル対策を生活の一部として習慣化することが大切です。
フレイル予防を続けるための大切な視点

私たち50代は、健康維持の大切さを感じながらも、つい自分のことを後回しにしてしまう人が少なくありません。
親世代のサポートや仕事、家事などに追われ、「自分のケアは後で」と思っているうちに、気づけば体力や気力の低下を実感するようになることもあります。
私が勤務している病院でも、入院などで活動が制限された高齢者が、「食欲不振 → 体力・気力の低下 → 寝たきり → さらに食欲減退」という負の連鎖に陥るケースをよく目にします。
このサイクルを断ち切るためには、日々の習慣化が何よりも重要です。
フレイル予防の3つの柱(栄養・運動・社会参加)を、日常に自然に取り入れる工夫を考えてみましょう。
続けられるコツは「頑張りすぎない予防」
フレイル予防を継続するうえで大切なのは、「頑張ること」よりも「続けること」。
ここでは、3つの柱を無理なく日常に取り入れるためのヒントを紹介します。
【栄養】義務感より「楽しむ」習慣を優先
年齢とともに食事量が減るのは自然なことですが、大切なのは量より質。
特に筋肉維持に欠かせないタンパク質など、栄養バランスを意識した食事が基本になります。
ただし、「健康のために食べなければ」と義務感で食べるのはストレスになりますよね。
食べることは、栄養補給だけでなく「噛む」「飲み込む」といった機能維持にもつながります。
だからこそ、頑張って食べるよりも楽しんで食べることを大切にしましょう。
我が家では、週に一度「ご褒美の日」を設け、好きなものを存分に楽しむようにしています。
夫は「美味しいものを食べたいから、日々節制しているんだ」と半分笑って、半分真剣に言います。
ご褒美の日があることで、他の日に自然と食生活を整える意識が生まれ、無理なく続けられるのです。
【運動】「ご褒美」のための「調整」をセットに
美味しいものを美味しく食べるためには、体が元気であることが欠かせません。
運動もまた、健康維持に欠かせない柱の一つです。
夫は自転車通勤やジム通い、私はストレッチや自重筋トレを日課にしていますが、目的もなく「頑張る」だけでは長続きしません。
「週末のご褒美を楽しむために体を動かす」「旅行で元気に歩けるように少しずつ筋トレを続ける」など、 “楽しみ”や“小さな目標”を組み合わせることが、運動を習慣化するコツです。
【社会参加】楽しさの継続こそ最大の予防策
フレイル予防の3つ目の柱は「社会とのつながり」です。
人との交流や趣味活動は、脳に刺激を与え、前向きな意欲を保つ力になります。
たとえば、「友人と食事を楽しむために外出する」「サークル活動のために体調を整える」など、“誰かと楽しむ目的”が健康を維持する原動力になります。
結局のところ、フレイル予防とは「頑張る」ことではなく、心地よく続ける工夫の積み重ねなのです。
50代こそフレイル対策をスタートしよう
50代の今こそ、フレイル対策を始める絶好のタイミングです。
早い段階から意識して取り組むことで、長寿社会を元気に生きるための健康寿命を延ばすことができます。
「まだ大丈夫」と感じている人も、まずは一度フレイルチェックをしてみましょう。
今日からできることを少しずつ積み重ねていくことが、将来のあなたを支える力になります。


