「50代で転職なんて、もう遅いかな…」そう思っていませんか?
長年勤めた会社でこのまま定年まで働き続けるべきか、それとも新しい環境に飛び込むべきか。
多くの50代が抱える、答えの出ない悩みなのかもしれません。
今回は、就職氷河期を経験し、50代を迎えるまでに5回の転職を経験した私のストーリーをお話しします。
この文章が、あなたの心のモヤモヤを少しでも晴らすきっかけになれば嬉しいです。
50代転職を諦めないための「呪縛」を解く
私の社会人生活は、就職氷河期から始まりました。
新卒で正社員になれず、運よく就職できた企業に約16年勤務。
当時の私は、「正社員=社会人としてあるべき姿」という強い思い込みに、がんじがらめになっていました。
安定にしがみつくあまり、本当に挑戦したいキャリアや心から望む変化を、遠ざけていたのです。
この「正社員でなければならない」という呪縛を解いたのは、40代でのキャリアチェンジと、その後の大きな失敗でした。
慣れない環境での短期離職を繰り返し、心身ともに疲れ果てた私は、初めて「正社員じゃなくてもいい」という選択肢を自分に与えることができたのです。
「自分のキャリアに選択肢はない」という諦めは、16年前の思い込みから始まっていた―この気づきこそが、私を縛る呪縛からの解放でした。
40代の転職で私は大きな失敗と学びを得ましたが、この「自分を縛る呪縛からの解放」こそが、50代で再びキャリアを考えるための揺るぎない土台となったのです。
「ゆとり」か「やりがい」の2 択思考から抜け出す

呪縛から解放された私は、一旦考え方を変え、全く異なる仕事と雇用形態を試してみることにしました。
最初に選んだのは、有期雇用の事務職です。
仕事内容も心持ちも、以前と比べてゆとりがある日々を送る中で、私はその穏やかさに強く惹かれていきました。
このまま「ゆとり」を優先すれば、この先ずっと心穏やかに過ごせると確信したのです。
ところが、次の職場で出会った女性課長の姿を見て、私の心は揺れ動きました。
男性ばかりの職場で堂々と渡り合うその姿は私に、責任感を持って働くことの魅力を改めて教えてくれたのです。
心のゆとりを優先し続けても、きっとどこかで物足りなさを感じる。
そう思った私は、夫の励ましもあり、再び「やりがい」を求めることを決意しました。
そして、 40 代も後半に差し掛かってから、未経験だった病院の相談員に正職員として転職。
もちろん、後悔がなかったわけではありません。あのまま楽な道を選んでいれば…と思うこともあります。
そんな時は、「どこに行っても、何をやっても、辛いことはある」と心の中で唱え、乗り越えてきました。
この経験から私が学んだのは、「ゆとり」か「やりがい」の 2 択で進むことの限界でした。
どちらか一方を選ぶと、選ばなかった道への後悔や物足りなさが必ず生まれてくる。
2 つの道で悩み、苦しみ、どちらを選んでもまた葛藤が生まれる。
この繰り返しこそが、 50 代からのキャリアを停滞させる要因だと気づいたのです。
2 択思考を抜け出す鍵は、 2 つの要素を「両立できるゴール」として探すことではなく、 その時々の自分に合った『良い塩梅(バイオリズム)』を見つけることだと、私は悟りました。
心に芽生えた「ワクワク」の種を見逃さない
合計5回の転職を経て、今の病院に勤めて約7年が経とうとしています。
一見、同じことの繰り返しに見える仕事ですが、入院患者さんは日々目まぐるしく入れ替わる。
患者さんやご家族と向き合うたびに、新鮮な気持ちで取り組んでいます。
飽きることはないものの、心のどこかでは「もう十分やったんじゃないか」という思いと、未経験の分野に挑戦して「まだもう少しワクワクしたい」という気持ちが、少しずつ芽生えていたのも確かです。
そんな時、何気なく見ていた求人広告で、未経験OKのカフェのバリスタ募集を見つけました。
自分がバリスタとして働く姿を想像すると、なんだか無性に胸が躍ったのです。
すぐに申し込んでみましたが、結果は不採用。でも、不思議と落ち込みはしませんでした。
それよりも、久しぶりに感じたこの「ワクワクする気持ち」が何より楽しかったのです。
不採用という結果は、行動したことの重要性を決して打ち消しません。
むしろ、 50 代の私にとって、新しいことに興味を持つことができるという、心のエネルギーを再確認できた瞬間でした。
大切なのは、成功や結果ではなく、日常の中にふと芽生えた小さな好奇心を「どうせ無理」と無視せず、一度立ち止まってその声を聴くこと。
この「ワクワク」の種を見逃さない姿勢こそが、停滞しがちな 50 代のキャリアに新しい風を吹き込んでくれるのではないでしょうか。
キャリアの不安を解消するための『良い塩梅』
「定年まで働き続ける」と決めつけると、自分の逃げ道を塞いでしまいがちです。
50代になって実感するのは、自分にとっての「良い塩梅」を探すのが何より大切だということ。
転職は必ずしも「逃げ」ではありません。
新しい環境に挑戦するきっかけになり、自分に合った働き方を見直す機会にもなります。
50代の転職には、人によって「まだ挑戦できる」と「もう無理しなくてもいい」という両方の視点がありますよね。
だからこそ、自分の気持ちに素直になりながら、今後のキャリアを考えてみてもいいのではないでしょうか。
仕事も生活も、自分の感情のままに進むことはできません。
周りに配慮しながら、自分の気持ちを大切にする。
以前の私のように「こうでなければならない」という思い込みを一度手放して、「ワクワク」する気持ちに素直になってみてください。
その小さな一歩が、新しい道を開いてくれるかもしれません。
あなたの「ワクワク」することは何ですか?
それを見つけることが、50代からの人生を豊かにする第一歩になるはずです。




